【失敗談から学ぶ】建設業許可が取れない理由トップ5！申請前に知っておくべき対策
【失敗談から学ぶ】建設業許可が取れない理由トップ5！
申請前に知っておくべき対策
建設業を営む上で、事業拡大や公共工事参入の必須条件となる建設業許可。
いざ申請に臨んでも、「書類が膨大で複雑」「要件を満たしているはずなのに不許可になった」といった壁に直面する事業者は少なくありません。
ここでは、専門行政書士の視点から、新規申請で最も不許可になりやすい、あるいは手続きが中断してしまう「失敗談」をトップ5としてご紹介します。
これらの失敗パターンを事前に知り、万全の対策を講じることで、スムーズな許可取得を目指しましょう。
建設業許可が取れない理由 トップ5
第1位：専任技術者・実務経験の「証明」が不十分
新規申請で最も高いハードルとなるのが、営業所ごとに常勤で配置する営業所技術者の要件です。
特に、資格ではなく10年間の実務経験で要件を満たそうとする場合に、この失敗が多発します。
❌ 失敗談：証拠となる書類が足りない、あるいは内容が薄い
多くの方が、過去の請負契約書や注文書の一部を提示すれば良いと考えがちですが、
行政庁が求めるのは、申請者が実際にその業種に従事していたことが客観的に判断できる「継続性のある証明」です。
• 10年分すべての工事について、契約書・注文書・請求書などの書類が揃っていない。
• 書類の日付や工期が明確でなく、実務経験の継続性が確認できない。
• 過去の勤務先が廃業しており、経験を証明する書類（証明書）を入手できない、あるいは証明者の押印が得られない。
• 記載されている工事内容が、申請したい業種に該当しない（例：土木工事を証明したいのに、内装工事の書類が混ざっている）。
✅ 対策：行政書士による「証拠の棚卸し」と補強
まずは、申請を考えている業種について、過去の経験を年表化し、どの時期の経験が、どの書類で証明できるかを徹底的に棚卸ししてください。
書類不足や内容の曖昧さがある場合は、「実務経験証明書」に証明者の印鑑を漏れなくもらう、工事写真や図面など、補助的な資料を添付して説得力を高める必要があります。
第2位：経営業務の管理責任者（経管）の「常勤性」が疑われる
許可のもう一つの重要要件である経営業務の管理責任者（略して「経管」）についても、実態とのズレで不許可になるケースがあります。
❌ 失敗談：他社の役員や、名義貸しを疑われる
経管は、その営業所に常勤して経営業務を適正に行える人物でなければなりません。
• 申請者が他社の役員や他の事業の代表者を兼任している場合。
• 経管が申請会社から遠方におり、通勤時間や通勤実態が不自然であると判断される場合。
• 健康保険証や住民票などの常勤を証明する書類に不備がある、あるいは提出を求められた追加資料で常勤性が否定される場合。
✅ 対策：役員の整理と専従義務の徹底
経管となる方は、原則として申請会社一社に専念（専従）している必要があります。
もし、他に役員を兼任している場合は、辞任の手続きを正式に行い、その議事録や変更登記を証明資料として提出する必要があります。
申請する営業所への常勤を示す明確な証拠（社会保険加入状況など）を準備し、実態が伴っていることを示すことが不可欠です。
第3位：財産的基礎の要件をクリアできていない
建設業許可には、財産的基礎（資金力）の要件が定められています。特に「一般建設業許可」の新規申請で不許可になることが多いポイントです。
❌ 失敗談：残高証明書の残高が期日までに確保されていない
一般建設業許可の場合、「自己資本が500万円以上」であること、または「500万円以上の資金調達能力があること」が必要です。
• 申請直前の決算書で純資産額が500万円未満だった。
• 金融機関に発行してもらう「残高証明書」の基準日において、残高が500万円に満たない。
✅ 対策：申請日を見据えた計画的な資金確保
決算で純資産が500万円未満だった場合、増資を行うか、金融機関から500万円以上の残高証明書を取得して証明します。
重要なのは、残高証明書の基準日から申請日までの間に、500万円を維持しているかを行政庁はチェックする可能性があるということです。
証明書取得後も、資金使途を明確にして残高を維持する計画が必要です。
第4位：法人・役員・個人事業主の欠格要件に該当する
これは書類の不備ではなく、法的な要件を満たしていないために不許可となるパターンです。
❌ 失敗談：過去の法令違反や破産歴を隠してしまう
建設業法では、不正行為や不誠実な行為を過去に行った者、あるいは役員に破産者などがいる場合、許可を与えないとしています。
• 過去に建設業法違反や刑法違反などで処分を受け、一定期間を経過していない。
• 法人の役員や個人事業主が成年被後見人、被保佐人、または破産者で復権を得ていない場合。
• 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に該当する者である場合。
✅ 対策：事前に行政書士にすべてを伝える
欠格要件は、申請書に記載する役員名や氏名から、行政庁が公的記録を照会することで必ず判明します。
隠し立ては絶対にできません。
少しでも心当たりのある場合は、申請前に専門行政書士にその内容と時期を正確に伝え、申請が可能か、
あるいは一定期間待つ必要があるかを判断してもらうことが、無駄な申請費用と時間を浪費しない唯一の方法です。
第5位：申請書類の作成・添付書類の収集ミスによる補正の長期化
厄介な失敗が、「書類の不備」によるものです。
❌ 失敗談：細かすぎる行政ルールを見落とす
• 申請書様式の記入漏れ、記載誤り、または古い様式を使用している。
• 添付書類（登記事項証明書、納税証明書など）の発行日が古すぎる（行政庁ごとに指定された期間がある）。
• 提出する証明書類に行政庁が求める原本証明を付していない。
✅ 対策：チェックリストの活用と丸投げ依頼
行政庁への申請書類は非常に細かく、提出部数も多岐にわたります。
行政庁から何度も「補正（訂正・追加提出）」を求められると、申請が長期化し、希望の期日までに許可が下りなくなってしまいます。
最も確実な対策は、建設業許可の専門行政書士に依頼することです。
専門家は最新の行政ルールやローカルルールを熟知しており、一発で審査が通る書類作成が可能です。
まとめ：許可取得を成功させるために
建設業許可の申請は、多くの時間と労力を要する手続きです。
しかし、これらの失敗談から学び、「営業所技術者・経管の証明」「財務基盤の確保」「欠格要件の確認」の3点を特に重点的に準備することで、許可取得の確率は格段に上がります。
当事務所では、これらの難関をクリアするための事前相談と最適な証明方法の提案を強みとしています。
「自分のケースで許可が取れるのか？」とご不安な方は、ぜひお気軽にご相談ください。